美容大国で知られる韓国内で、チャンネル登録者数12万人を超える韓国の皮膚科専門医キム・ホンソク先生。
今回は、キム・ホンソク先生の人気動画の1つ、”皮膚と腸のつながり!”について解説します。
外部環境から体を保護する2つの接点
皮膚のマイクロバイオーム免疫メカニズム
腸のマイクロバイオーム免疫メカニズム
ピロリ菌と皮膚疾患の関連性
制酸剤を飲むと、皮膚がボロボロになる?
食物繊維を分解するSCFAs
日々の食習慣が大切
最近1度は耳にしたことあるであろうマイクロバイオーム!
しかし、詳しくはどんなものなのか、分からないという方も多いですよね。
マイクロバイオーム化粧品や健康食品も沢山発売されていますが、皮膚とはどういう繋がりがあるのでしょうか?
また、腸の調子が良ければ美肌になると聞いたことはあるはずです。
これらはどういうメカニズムなのか、詳しく教えます!
皮膚と腸のつながりとマイクロバイオーム
最近、医薬分野と化粧品分野で、非常に重要視されているのがマイクロバイオームです。 聞き慣れた用語に置き換えると、乳酸菌としてもよく知られています。 マイクロバイオームは、様々な微生物の集団を総称したものです。 特定の菌を指すのではなく、様々な菌と環境づくりなどを意味します。 皮膚と腸が微生物との関係が非常に重要な部分であるため、今日その部分について申し上げたいと思います。
外部環境から体を保護する2つの接点

1つ目が”皮膚”です。
皮膚は体を覆い、外の様々な環境や刺激に反応、体内と体外の中の間に大きな膜を張るバリアの役割をします。
皮膚は、外部の物質から体を守るための、第1次のバリアなのですが、もし、このバリアを透過して悪い物質が入ってきても、これを素早く認識するための免疫学的な作用も持っています。
2つ目は、腸です。

私たちは日々、食べ物を食べますよね。 食べ物を飲み込んだ後、胃、小腸、大腸の消化器官を通過しますが、これらの消化器官は1本の管でつながっています。 食べ物を摂取すると、良い菌も悪い菌も一緒に入ってくるため、消化過程において、不必要な菌は殺して、必要な栄養素は体内に吸収させる過程が必要になります。
様々な菌から体を守るとき、皮膚による第1次の物理的なバリア、そして第2次の免疫として、体内に入ったときに菌を認知して抵抗し、守ってくれる免疫システムが腸での機能です。

皮膚と腸には、かなり密接な関係があるということが多く発表されています。 Skin-GutAxis(skin=肌、gut=腸、axis=軸)と言って、皮膚と腸はつながっているという理論で、実際に多くの研究が行われています。
皮膚のマイクロバイオーム免疫メカニズム
肌バリアは、外部にある様々な物質が、肌の中へ簡単に浸透しないように防いでくれる膜です。 そのバリアには、セラミド、コレステロール、脂肪酸、密着結合など、様々なものが存在し、1次的な防御の役割をしてくれます。
また、皮膚に存在する常在菌も、他の有害菌が浸透しないよう、自らが物質を分泌し、1つの防御膜を形成してくれます。

では、私たちの肌に存在している常在菌や、乳酸菌。
菌は菌なのに、なぜ体に良いとされているのでしょうか? 理由は、これらの菌が、私たちの体に絶え間ない刺激を与え続けて、免疫力を衰えさせないような環境を作ってくれているからです。 つまり、マイクロバイオームは、体の免疫システムが正常にいつでも発動できるように、準備状態を維持するように働きかける役割をしています。 菌が定期的に入ってくると、防御システムは常に維持でき、私たちの体では安定した免疫システムが形成されるのです。
腸のマイクロバイオーム免疫メカニズム

食べ物も同様です。 食べ物を食べると胃を経て、小腸を通過する際、小腸内の絨毛で食物が吸収される過程で、腸の壁が損傷する場合があります。
これを腸もれ症候群と言い、腸のバリアが弱まることで、絨毛間に隙間ができ、絨毛で吸収されなければならないものが、その隙間から体内に入っていくというものです。

具体的には、微生物や、微生物の様々な代謝産物、炎症性物質や、いわゆる毒素のような物質が入ってしまいます。 それらの不必要なものが、血液を通して全身を巡りながら、体の炎症反応や免疫状態を悪化させる要因になってしまうのです。
ピロリ菌と皮膚疾患の関連性

私たちの胃にはピロリ菌が存在します。
ピロリ菌は、繰り返し炎症を引き起こし、胃炎や逆流性食道炎や胃がんを引き起こす菌の1つです。 酒さ皮膚炎患者さんに、ピロリ菌を死滅させる抗生剤治療行うと、実際に酒さ皮膚が改善されたという内容の報告がかなり多くあります。
胃にあるピロリ菌を殺すと、なぜ肌に影響を出るのでしょうか?
これは、消化器官で生じる様々な問題点を解決することで、全身を巡る様々な伝達物質が変わり、肌にまで影響を与えるからです。
制酸剤を飲むと、皮膚がボロボロになる?
ピロリ菌ができる要因はいろいろありますが、胸焼けをしたときによく飲む制酸剤も要因になり得ます。
胃酸が過剰な場合は、制酸剤を飲む必要がありますが、あまりにもたくさん制酸剤を飲むと、かえって胃酸が低下してしまいます。
食べ物から入ってきた様々な菌は、胃酸で殺さなければなりません。
しかし、胃酸が低下すると、菌を死滅させられず、下の消化器官まで届いてしまいます。
小腸まで下りると、不要な菌が増殖するのですが、これをシーボ(SIBOSmallIntestinalBacterialOvergrowth)と呼びます。
おなかがもたれ気味になったり、ガスが溜まったりする状況が発生します。
これは、皮膚疾患だけでなく、色んなところに影響を及ぼします。
食物繊維を分解するSCFAs

食物繊維をたくさん食べると、食物繊維の中に入っている繊維は、私たちの体では自ら分解できません。
私たちの体にある微生物が、これらを分解してくれるのですが、分解後にはとても小さなSCFAs(ShortChainFattyAcids)というものが作られます。 SCFAsは、体に吸収され、全身を巡る時、皮膚にある微生物のための栄養素の供給をしてくれます。 そのため、このSCFAsが多くなれば、皮膚にある微生物は、肌をもっと健康な状態に維持できるように活性化するのです。
腸を健康にするには、良い食生活を送ることが大切で、レトルトやインスタント製品ではなく、健康的な食べ物を取るように意識しましょう。
日々の食習慣が大切

肌の管理は、スキンケアや施術だけに頼るのではなく、普段からしっかりと管理・予防して、食習慣を調節し、生活パターンを変えていくことも大切です。 腸の健康を保つには、正しい食習慣を送り、レトルトやインスタント製品ではなく、健康的な食べ物を取ることが大切だと、様々な研究から導き出されています。 私たちの体にある微生物、マイクロバイオームは、生活習慣や環境が改善すると、私たちの体全体の免疫システムに影響を与えると証明してくれるものです。
まとめ
健康な食べ物と、食習慣を正しく管理するだけでも、体が健康になります。
これを微生物学的観点で見ると、より、その原理が理解しやすくなるでしょう。
微生物の観点から理解したところで、普段から少し気を使って、良い食べ物、健康な食べ物を中心に献立を少しずつ変えてあげる努力をすれば、もっと美肌に近づけるのではないかと思います。
皮膚科専門医キム・ホンソク先生の
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