美容大国で知られる韓国内で、チャンネル登録者数12万人を超える韓国の皮膚科専門医キム・ホンソク先生。
今回は、キム・ホンソク先生の人気動画の1つ、”夜になると肌がかゆくなる理由”についての解説します。
昼と夜で肌の反応は変わる
肌と睡眠の関係
肌の温度も大切な要素
お昼はなんともなかったのに、夜になると肌がかゆくなるという方、いらっしゃいますよね?
今回は、なぜ、このように昼と夜で肌の反応に違いが出るのか、その原因についてご紹介しています。
原因を知ってこそ、対策を立てることができるものです。
記事を最後まで読んでいただき、少しでもかゆみ軽減の力になれれば嬉しいです。
夜になると肌がかゆくなる?
夜になると肌がかゆくなるという方は多くいらっしゃいます。 特にアトピー、乾癬などの慢性皮膚疾患のある方にとって、夜になるとかゆみの症状が顕著に現れます。
昼と夜で肌の反応は変わる
昼と夜で、肌が異なる反応を示す理由の1つは、私たちの体のサイクルによるものです。 昼のサイクルと、夜のサイクルには差があります。 ホルモンの影響により、昼にはコルチゾールホルモンが多く分泌され、夜にはメラトニンホルモンが多く分泌されます。
ホルモンの分泌過程に合わせて、体の生体リズムの変化が全て決められているのです。 肌も同様に、このような周期に合わせて反応します。 夕方は、日中から受けたダメージを、最小限に抑え、回復させることに集中します。 一方で、昼間は、どうしても、肌がさまざまな外部環境にさらされることが多いため、これを保護しようとする、防御メカニズムが働きます そのため、昼間は、角質層がかなりしっかりと密着している反面、夕方になると、少し緩む状態になります。
つまり、夕方の肌は、皮膚への透過度が高くなり、外部にある様々な物質が、皮膚の中に入りやすくなるということです。 そのため、アトピー皮膚炎や乾癬、乾燥症の患者の方は、夕方になると、肌がかゆくなることが増えてしまうのです。
肌と睡眠の関係
睡眠は大きく、レム睡眠とノンレム睡眠に分けられます。 レム睡眠は"Rapid Eye Movement"の略で、 寝ている間に目が動いている時間を指します。
本来、レム睡眠が来てからノンレム 睡眠が1期、2期、3期、そしてまた2期、1期を経て、レム睡眠に入るという、反復的なパターンを繰り返します。 私たちは、熟睡できていないときに、かゆみを認知します。 そのため、かゆみはレム睡眠で多く現れ、ノンレム睡眠の中でも特に1期で多く現れます。
すると、結果的にレム睡眠期間がはるかに長くなり、眠ったものの、熟睡できない状態になり、この期間に肌を掻いてしまう状況が起こり、さらに深い睡眠を邪魔する要因になります。
ホルモンは、昼と夜で違うパターンを見せるのですが、昼にはコルチゾールホルモンが分泌されます。 コルチゾールの分泌が少ない人は、寝起きが悪い場合が多いです。
逆に、メラトニンホルモンは夜の12時頃に多く分泌されるホルモンで、睡眠を誘導してくれます。
また、体を再生させる抗酸化ホルモンの1つです。 コルチゾールホルモンは、強力な抗炎作用を持っています。 しかし、夕方には、分泌がほとんどなくなり、コルチゾールホルモンの分泌がうまくいかないために、抗炎作用の効果が失われます。 結果的に、炎症を引き起こす様々な成分が体から出続けます。 インターロイキン-12、プロスタグランジンD2・E2などは、体に多くの炎症をもたらす物質なのですが、昼はコルチゾールによって、抑制されているものの、夜になると抑制できなくなります。 そのため、これらの物質によるかゆみが出るようになるのです。
肌の温度も大切な要素
肌の温度も非常に重要な部分です。 夕方頃から夜まで、肌の温度はどんどん上がり、眠りに入って、朝起きる頃になると、皮膚温度が1番低くなります。 皮膚の温度が、一定に保たれるわけではなく、生体の周期によって少し変化するのです。
皮膚の温度が上がると、皮膚の表面の血流量が増加します。 血流量が増えるということは、水分が失われる確率が高くなるということです。
その結果、様々な成分の物質が分泌され、皮膚表面の血流量増加によって、かゆみがさらに増すことがあります。
夜にかゆみが出る方々は、寝る直前に長時間の半身浴や、 熱いお湯で長い間シャワーをすると、体と皮膚の表面温度が高くなっている状態になり、かゆみがさらに誘発されることがあります。 そのため、熱いシャワーを長く浴びるのは、かゆみのある方にはあまり良くありません。
高齢の方は、長い間、外部の刺激によりダメージを受け続けてきており、若い人に比べて肌の回復速度が遅いです。 セラミド、コレステロール、脂肪酸のような皮膚脂質も減少しているため、保湿に役立つ様々な成分は減り、肌の透過度も関係してきます。 アトピー皮膚炎や乾癬、乾燥症など、慢性疾患のある方には、かゆみを解決するために、抗ヒスタミン剤が処方されたりします。 抗ヒスタミン剤でかゆみが治まる場合と、そうでない場合もあります。 これは、ヒスタミンによって生じるかゆみがある反面、ヒスタミンとは無関係のかゆみもあるからです。 抗ヒスタミン剤を服用しても、かゆみがある場合は、別の原因によるかゆみの場合が多く、そのかゆみをやわらげるためには、皮膚の温度を少し下げることが大切です。
最近は、様々なクーリング製品が発売されていますが、これは、肌の温度受容体の中で、低い温度を認知する部分を刺激することで、皮膚の温度が下がったように認識させ、かゆみを軽減させるという原理です。 かゆみを直接的に緩和する成分とともに、乾燥しないように保湿も十分にしてあげること、また、シャワーの仕方も重要なので、これらを踏まえてケアしてみると良いでしょう。
まとめ
このようなかゆみは、自分でいくらケアしても好転しない場合があります。 その場合は、近くの病院で、抗ヒスタミン剤のような薬を飲んで、かゆみを少し和らげてあげることも、1つの手段ですし、薬を飲んでもかゆみが解決されない場合は、紹介した様々な方法を、並行しながら、かゆみを緩和させる方法を模索しなければなりません。 まだ明らかになっていないメカニズムも多いため、現時点で分かっている範囲の解決方法で、コントロールしてみてください。
皮膚科専門医キム・ホンソク先生の
【インスタグラム】
https://www.instagram.com/drhong3_cosmetic/
【YOUTUBE】
韓国美容医療のご予約のサポート&医療通訳に関する質問は、LINEからお問い合わせください☻
🖥️ホームページ: http://busanjmj.com
📱LINE: busan-jmj (←クリック)
💌メール: busanjmj32@gmail.com
❤️インスタ:@busanjmj_official