今回は、キム・ホンソク先生の人気動画の1つ、”シミ治療のNo.1成分、トラネキサム酸!”についての解説します。
シミ治療に効果的な成分
止血剤トラネキサム酸がシミに効くというのはいつ発見された?
止血剤の原理
トラネキサム酸のシミ抑制原理
トラネキサム酸服用に関する注意事項
最近注目を集めている美白成分トラネキサム酸!
今回はこのトラネキサム酸について、詳しく解説しています。
様々ある美白成分の中で、なぜトラネキサム酸が多く使われるようになったのかを知って、自身の化粧品選びをする際の参考にしてみてください。
シミ治療に効果的な成分
最近人気の美白成分、トラネキサム酸。
トラネキサム酸とは、元々、止血剤として使われていた成分です。 この止血剤成分が、どのようにシミ治療に役に立つのか解説していきます。
治療やケアの難しいシミ
シミは、本当に治療しにくい疾患の1つです。 シミを解決するために、様々な方法を試す方も多いと思いますが、結局、治療がうまくいかなかったり、さらにシミが濃くなったりすることが多々あります。
ハイドロキノンやナイアシンアミドのような美白成分もありますが、最近、最も注目されている成分がトラネキサム酸です。 トラネキサム酸は、アミノ酸の種類の1つであるリシンを変形して、人工的に作られた合成成分です。
トラネキサム酸は、元々は止血剤として使われている製品で、現在も止血剤として多く使われています。
アメリカの食品医薬品局(FDA)では、生理の不正出血がひどかったり、血友病患者が抜歯した後、出血に止まらない場合に、トラネキサム酸の使用を推奨しています。 止血剤として使っているトラネキサム酸は、病院ではずっと前からシミ治療に使われていました。 ここ数年前で、化粧品として使用するトラネキサム酸の研究がかなり進み、美白に役立つという報告がたくさん出ています。
止血剤トラネキサム酸がシミに効くというのはいつ発見された?
1979年、二条貞子さんが率いるチームが、本来は慢性じんましんを治療するために、トラネキサム酸を使用していたところ、偶然、シミに効くというのを発見しました。 1979年以降、トラネキサム酸は徐々に広まり、最近になって、より多く使われるようになっています。
止血剤の原理
ケガをして、出血すると、血を凝固させるために、体内では血小板が反応します。 血小板から出てくる成分が、フィブリンという物質を作ります。
フィブリンは、傷口を覆うテープのような役割をしていて、フィブリンに覆われると、傷口を塞ぐことができます。 ここでの問題は、フィブリンが継続して作られると、血管までも塞いでしまったり、血栓となり、それが血管を巡りながら、他の場所を塞いでしまう危険があるということです。 そのため、フィブリンの生成を止めたり、すでに作られたものを分解する過程が必要です。
このフィブリンを溶かす過程で、必要な成分がプラスミンです。 フィブリンを溶かすというのは、体中の様々なたんぱく質を溶かす一種のたんぱく分解酵素をイメージしてください。 このプラスミンは、いくつかの過程が必要で、プラスミノーゲン成分がプラスミンを生成します。
プラスミンが作られると、フィブリンを溶かし始めます。 トラネキサム酸は、プラスミノーゲンにぴったりとくっついて、これ以上プラスミンが生成されないように防ぐ役割をします。 つまり、プラスミンの形成がうまくいかず、フィブリンが溶けなくなり、凝固した状態で維持されます。
これが、止血剤として使われる原理です。
トラネキサム酸のシミ抑制原理
止血剤として使われるものが、どのようにシミに影響を与えるのでしょうか? 肌が、紫外線を浴びると、体のさまざまな細胞が、損傷を受けることになります。
皮膚の表皮の1番下の層には、基底層があり、その下は、真皮につながる重要な部分、真皮表皮境界部があります。 その境界部には基底膜があり、この基底膜は、非常に頑丈に張られている組織の一つです。 ところが、この基盤は、崩れてしまうのです。 崩れる理由の1つが、さまざまな酵素によるものなのですが、その酵素の1つがプラスミンです。 プラスミンは、フィブリンを溶かす成分とお伝えしましたが、結果的にはある特定成分を溶かすことができるのです。
つまり、タンパク質を分解する酵素に使われるので、プラスミンが多くなると、様々な構成成分を壊すことができます。
シミ病変のメラニン細胞には、メラニンを合成する量が多すぎるのですが、たくさん作られると、隣にある角質細胞に移っていくメラニンの量も多くなってしまいます。 隣の角質細胞に移っていく過程で、角質細胞内に入りきれないものが出てきて、細胞の間に落ちてしまい、基底膜を過ぎて、下層の真皮層まで落ちるという現象が起こります。 真皮では、本来なくてもいいメラニンが生じ、いろいろな影響を与えるのがシミの複雑な原理のひとつです。
基底膜が崩れていると、真皮に落ちることを防ぐことができず、貼って回復させるのが非常に重要です。 紫外線によって基底膜損傷が生じ、その基底膜損傷が維持されるのがプラスミンですが、これをトラネキサム酸が抑制してくれるんです。 基底膜が損傷したシミの場合、トラネキサム酸が基底膜がこれ以上崩れないようにしてくれるため、シミが改善されるのです。 私たちの体は、損傷した部分を回復しようとする力が働くため、損傷した基底膜も早く損傷を回復しようします。
これは、助けてくれる成分がトラネキサム酸です。
トラネキサム酸服用に関する注意事項
トラネキサム酸は経口剤としても使いますが、飲み薬は専門医薬品と市販薬に分けられています。 専門医薬品は250mLで決められており、効果が良いからといって飲み切ればいいわけではありません。 トラネキサム酸の目的は、そもそも止血剤なので、飲んではいけない人がいます。
抗凝固剤を服用している場合
血栓で手術または治療を行った場合
お年寄りの場合
これらの問題のため、飲み薬としての解決は難しく、負担になるため、一般医薬品として処方箋なしで購入できる薬は、トラネキサム酸の含量が少なく、シミに効く他の抗酸化剤を混ぜて作られています。 服用する時に重要なことは、長期的な服用はせず、 3ヵ月服用して1ヵ月休むというような、休薬期が必ず必要な成分だということです。
経口剤では、様々な注意事項があり使いにくいため、注射剤という方法が出てきたのですが、注射剤にしても少し使いにくい部分はあります。 そのため、誰でも使える化粧品にこの原料を入れるようになったのですが、想像以上にシミへの効果を見せています。
このように、塗るトラネキサム酸の論文がいくつか出ているのですが、トラネキサム酸2%の化粧水を12週間使用した結果、シミが好転するという論文もあります。
一方ではトラネキサム酸5%の製品、はたまたハイドロキノン4%の製品で、12週間使用した結果、どれもシミが好転したという論文もあります。
つまり、ハイドロキノンだと、シミの治療に効果がありますが、組織黒変症や敏感になるなどの副作用もあり、トラネキサム酸5%を使用しても似たような結果が得られたということで、治療効果は同等であるということを意味しています。
また、トラネキサム酸3%、ハイドロキノン4%、デキサメタゾン、ビタミンCが混ざっている製品をそれぞれ12週間使用したときも、似た結果が出ました。 結局、塗るトラネキサム酸がある程度シミに効果があるということです。 これらを参考に、トラネキサム酸がシミに効果があり、副作用の多いハイドロキノンに比べ、トラネキサム酸は刺激がほとんどなかったので、このような大きなメリットがある部分で長期的に利用できるということはかなり大きなメリットになるのではないかと思います。 最近、シミ治療にはトラネキサム酸が入っている製品が多く使われているのですが、このような製品を使う際、論文を見ると12週間という期間が目安になっています。 トラネキサム酸は、3ヶ月以上継続して使用する必要があり、ハイドロキノンより副作用が少ないため、長期的に使用しても問題なく、皆さんが安心して使用できる原料だと思います。
皮膚科専門医キム・ホンソク先生の
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