美容大国で知られる韓国内で、チャンネル登録者数12万人を超える韓国の皮膚科専門医キム・ホンソク先生。
今回は、キム・ホンソク先生の人気動画の1つ、”弱酸性化粧品を使うべき理由”についての解説します。
pH値とは
pH値と化粧品の関係
アルカリ性は肌に悪い?
皮膚のpH値が高まると?
pH値とニキビの関係
まとめ
最近、ドラッグストアでは弱酸性を謳っている化粧品が多く売られています。
どうして弱酸性化粧品が広まっているのでしょうか?
弱酸性が広まっている理由を理解して、自分に合う化粧品選びをしましょう!
弱酸性化粧品がなぜ広まっているのか
最近の化粧品を見ると、弱酸性クレンジングのように弱酸性を強調する様々な化粧品について話題になっています。 なぜ弱酸性が重要なのかご説明いたします。
pH値とは
pH(potential of hydrogenion)は水素濃度を表す単位で、水素イオンが多く出れば出るほど酸性に、少ないほどアルカリ性になります。 pH値は数字の1から14までで表され、7が中性、7より低い場合は酸性、7より高くなるとアルカリ性または塩基性と表現します。 私たちの体内は通常、pH値が7.35~7.45程度で、中性に近いパターンを見せます。 しかし、肌は違います。
真皮にはコラーゲンやエラスチン成分を除き、ヒアルロン酸またはグリコサミノグリカンという、ヘパリン、ヘパラン硫酸、コンドロイチン硫酸、デルマタン硫酸などの成分が存在しており、これらは肌の水分保持の役割を担ってくれる、とても重要な成分です。 真皮では、体内のpH値7.35~7.45よりも少し低いpH値を示します。 表皮に近づくほど、pH値が下がって酸性化が進み、肌の表皮の角質層まで行くと4.5~5.5まで低下します。 つまり、皮膚表面は通常、pH値4.5~5.5ほどの弱酸性の性質を持っているということです。
pH値と化粧品の関係
ここで、私たちがもしpH値7の中性の製品を使うとどうなるでしょうか? 肌は、pH値4.5~5.5が最も理想的な状態なため、pH値6~7段階を超えると、肌が逆に弱くなってしまいます。 pH値は、肌の生理学的な全ての活性度に影響を与える重要な要素です。 肌のpH値が高くなるとセラミド、コレステロール、脂肪酸成分を作る酵素を全て抑制してしまいます。 すると結果的に、細胞と細胞の間にある細胞間脂質の生成が減り、角質層に肌バリアを構成する成分が減少してしまいます。
すなわち、肌の保湿を保つ機能が低下し、水分保持しながら肌を常にその状態を保とうとする性質“恒常性”が崩れてしまう最も大きな要因になります。
しっかりメイクをすると、メイク自体が肌の負担をかけるだけでなく、これらを必ず落とす過程が必要です。 クレンジングの目的自体は、老廃物や肌に良くないものを取り除くことです。 この時使う商品として、pH値が高ければ高いほどクレンジング効果が高まります。
アルカリ性は肌に悪い?
簡単な例を挙げましょう。
洗濯時に、洗濯石鹸で洗うと、汚れや垢がよく落ち、クレンジング効果が高いですよね。 洗濯石鹸は、pH値が11ほどの強いアルカリ性です。
このようにアルカリ性が強いと、クレンジング効果が高すぎて、老廃物だけではなく、皮膚に付着した正常な脂質まで、全て除去されてしまいます。 pH値が10~11に近いほど、強力なアルカリ性です。 肌はpH値4.5~5.5が正常な状態ですが、pH値11のクレンジングを使うと、肌がアルカリ性に傾きます。 アルカリ性に近づくと、肌バリアを構成する成分を作ってくれる酵素の働きが抑制され、結果的に細胞間脂質が生成できず、肌のバリア機能が弱まります。 肌のバリアが弱くなっている状態では、外部の色々な要因で、皮膚に炎症反応が起きるなど、様々なトラブルが発生しやすくなります。
ただ、クレンジング剤がpH値4.5~5.5まで下がると、今度は洗浄力に少し問題が生じます。 なぜなら、洗浄力よりpH値を重視すると、洗浄力が落ち、老廃物が除去できないという状況になり得るからです。
肌への刺激を減らすことだけに集中すると、本来のクレンジングの目的を果たせなくなってしまいます。 これらの理由を踏まえたうえで、pH値4.5~5.5より少し高く、pH値7よりも少し低い弱酸性クレンジングが多く売られているのです。
肌のpH値が弱酸性で保たれると、肌のターンオーバーが正常に行われます。 pH値が高まると、角質成分同士の間を埋める角質間細胞が作れず、密着するべき部分に隙間ができてしまいます。 すると、角質間細胞の繋がりが弱くなり、繋がりの弱い細胞は早々に剝がれていく現象が起き、正常な肌バリアを構成できない状態になってしまいます。 つまり、肌バリアにダメージを与える原因になるのです。
皮膚のpH値が高まると?
皮膚のpH値が高くなると、フィラグリンという遺伝子がダメージを受けます。 このフィラグリンは、肌の水分を保持する非常に重要な成分ですが、その成分が欠如すると、水分を保持できず、ペプチドやアミノ酸のような天然保湿因子成分が外に出るようになります。
そのため、肌のpH値を落として正常化させなければならないのですが、全ての成分が欠如している状態が続くと、結果的に皮膚のpH値が高いまま維持されるのです。
「同じ保湿をしたのに、 なぜ私は保湿が出来ないのでしょうか?」 「クレンジングをしっかりやったのに、何故夜に肌が乾燥してひりついてトラブルが起きるのでしょうか?」
これらの原因は、まさにこのpH値が影響しています。 pH値が高く、クレンジング効果の高い商品を使っているからかもしれません。
肌バリアを高めるには、pH値そのものが非常に重要で、重要性を理解するには、弱酸性の概念を必ず知らなければなりません。
皮膚の表面にあるpH値は4.5~5.5の弱酸性であり、それに最大限合う商品を使用しながら、肌を酸性に近づけて、一定に保つことがとても大事です。 皮膚のpH値が4.5~5.5なため、pH値3~2の商品を使えばいいと思われるかもしれませんが、下げすぎても皮膚がダメージを受けることになります。 韓国では化粧品法上、pH値3以下では化粧品として扱うことができません。 そのため、ほとんどの場合、限界をpH値3に設定し、その範囲内での商品をよく使います。
皮膚のpH値は単純に、1つだけで作られるものではありません。 肌にある脂質、汗をかくと乳酸成分も外へ排出されることがあります。 そして、肌にはかなりの量の微生物も存在し、マイクロバイオームが排出する細菌も、pH値を落とす要因になります。 皮膚の角質層で起きる、様々な脂質層の代謝過程の中の、成分が壊れて再び生成される過程が、pH値が酸性になるように組み込まれた正常な反応だということです。
pH値とニキビの関係
ニキビの菌の元となるアクネ菌は、pH値6~6.5の時に最も活性化する性質を持っています。 そのため、皮膚のpH値が4.5~5.5より高いと、ニキビの菌の活性度が高まり、炎症反応を悪化させ、ニキビも悪化してしまいます。
さらに、炎症性にきびができる可能性も増えます。
このような方々の中には、 「クレンジングを清潔に丁寧にやることが重要だ」と分かっていながらも、しっかりと落ちたと感じられる、”キュッキュッ”という使用感の洗顔を好む方がいます。 これは、pH値の高いクレンジングによくある使用感なのですが、さらにアルカリ性化を進めてしまうため、皮膚の炎症反応がさらに悪化させてしまいます。 そのため、弱酸性クレンジングを使用したり、肌のpH値を下げて、pH値4.5~5.5台に維持してくれる化粧品を使用することが重要です。
まとめ
肌表面はpH値4.5~5.5の弱酸性で構成されています。
肌の恒常性を常に維持し、肌バリアを構成する脂質層を強くするだけでなく、角質層をしっかり密着させて肌のバリア機能を強化し、炎症性物質を減らす役割を果たすため、肌のpH値を一定の弱酸性で維持することが大切です。 肌が敏感な方は、pH値4.5~5.5の化粧品で揃えることは難しくても、せめて、pH値7以上の成分の商品よりはpH値6~5台の少しでも酸性に近い商品を選ぶことをおすすめします。
皮膚科専門医キム・ホンソク先生の
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